ちょっとショッキングなシチューが残した傷跡

雪振る極寒の観光地
本来なら冬囲いに3日を要する魔女のバラ園

しかし

残業してでも、2日間で終わらせたい
一刻も早く終わらせて次の現場へ向かいたい

さもなくば

明日もまた、飯が出る

ただが飯
されど飯

何を食わされるかわわからねぇ恐怖

魔女が振舞ったシチューは、
皆の心にトラウマとしてクッキリと残りました


そんなわけで、日が落ちて暗くなるまで残業し
疲労困憊で宿に戻った拙者たち

無事にバラ園での仕事を終え、
明日から新しい現場にござります

そこは、皆で宿泊させて貰っておる宿の庭なのじゃが――……


問題は露天風呂のお庭にござります
一日の殆どを宿泊客が入浴で占拠しておりまする

拙者達が作業出来るのは、深夜から早朝にかけて
宿の従業員たちが温泉内の清掃をしておる間のみ


時間制限がある上、
仕事道具を毎回運び入れては
撤去せねばならぬという何重にも重なる手間暇

これを数日繰り返すと言う面倒臭さなのじゃが―――……

魔女が出ない分、マシ


拙者たちの心境は、その一言に尽きまする

面倒臭くたって良い
仕事の進みが遅くたって良い

心の平穏が保てる尊さには代えられぬ


そんなわけで

作業するには最悪じゃが、
精神的にはずっと楽な環境で

チマチマと作業する事しばし――……

最初に動きがあったのは、
最年長の親方にござりました


親方
『……めまいがする……
 頭痛もして、立ってられない……( ;∀;)』

拙者
『大丈夫!?(; ・`д・´)』

同業者
『目眩……そして、頭痛……!?
 それって、もしかして――……(;・∀・)』


魔女の呪いか

年齢も性別もバラバラ

そんな拙者たちの心が、
キレイに1つになった瞬間にござりました


拙者
『カエルを食したショックかのぅ?(; ・`д・´)』

同業者
『精神的な物なのか、それとも呪術的な物なのか
 はたまた一服盛られていたのか……(;・∀・)』

親方
『……んー……( ;∀;)』

心当たりが、あり過ぎて困る

物騒極まりない心当たりを前に、
否定したくても出来ない恐怖に震える一同


同業者
『ザヨさん、後で病院に連れて行ってあげて(;・∀・)』

拙者
『……え、拙者も同行するの?(・∀・)』

同業者
『お医者さんに説明しなきゃならないでしょ?(;・∀・)』

拙者
『………………(・∀・)』


想像してみる


医者
『今日はどうしました?(`・ω・´)』

親方
『目眩と頭痛がするんです(´・ω・`)』

医者
『ふんふん、なるほど……
 何か原因に心当たりは?(`・ω・´)』

拙者
『ま、魔女の仕業かと(・ω・;)』

医者
『………え……?(;・∀・)』

拙者
『………魔女……(・ω・;;)』

医者
『…………(;・∀・)』


…………。


駄目じゃあぁぁあぁ――――……ッ!!!!

無理!!
絶対に無理ッ!!!!!

言えるわけがねぇ!!


その場の空気を想像しただけで、
顔面から雪山に突っ伏したくなるッ!!

いくら拙者でも、
そんなコアな羞恥プレイは無理!!


その恥ずかしさたるや!!

コンビニでの支払い時、財布と間違えて
TVのリモコンを出してしまった時の非ではない!!

あああぁぁぁぁああ何故じゃ!!
一体、いつの間にリモコンがカバンの中に!!?


―――……って、そうじゃない!!

過去の黒歴史を振り返って、
現実逃避しておる場合ではないぞ拙者!!


同業者
『適当に食あたりとでも言ってさ
 とりあえず検査でもして貰おうよ
 じゃないと俺たちも我が身が心配なんだ(;・∀・)』

拙者
『万が一、毒性反応でも出た日には
 全員で病院に駆け込まねばなりませぬしな
 確かに診て貰う必要はあるのぅ……(; ・`д・´)』

親方
『お前らの発言が不吉でしかない……( ;∀;)』


風邪は万病の元
つまり万病は風邪に通ずる!!

そんな強引理論を持ち出して
親方の病状を表向き、風邪という事にした拙者

『たぶん風邪じゃないかと』
の一言で、恐らく診察も乗り切れる!!


そう自分に言い聞かせながら、
タクシーを呼んで貰って
親方と一緒に病院へ向かう事しばし――……


親方
『大丈夫かな……(´・ω・`)』

拙者
『大丈夫じゃよ、きっと
 拙者もついておるし!!( `・ω・´)』

親方
『………(´・ω・`)』

拙者
『?(・∀・)』

親方
『終わったな……(´;ω;`)』


何故、そこで絶望する


拙者
『安心致せ、既に魔女の姿は無い!!
 ここにおるのは拙者に憑いた笑いの神のみ!!( `・ω・´)
 天地神明に誓って、たぶん大事には至らぬ気がする!!』

親方
『そこは断言しようよ!!( ;∀;)
 そんな弱気な誓いされも天地神明が困るよ!!』

拙者
『ハッキリと申さぬ優しさが
 時として刃の如く深く突き刺さり、
 心に冷たい雨を降らせることもある……(・∀・)』

親方
『そんな詩的な表現は今、求めてないよ!?(;・∀・)』

拙者
『タクシーの運転手さんが、
さっきからプルプルしておるのが面白くて(・∀・)』

親方
『運転手さぁぁぁぁぁ―――ん!!!!( ;∀;)』


拙者と親方の会話が、
何故かツボに入ってしまったらしい運転手さん

彼は強くハンドルを握り締め、
小刻みに肩を震わせながら
押し寄せる笑撃に耐えておりました


笑っちゃいけない

そう思えば思うほど、
更に深くハマって行く笑いのツボ

ハンドル操作を誤られても困る

以降は大人しく口を噤み、
運転手の己との孤独な戦いを見守る拙者たち


笑いを堪え過ぎた彼の顔が、
赤を通り過ぎて黒ずみ始め

2人がその姿に戦慄を覚え始めた頃――……


タクシーはようやく、
目当ての病院に到着致しました

既にコンビニで購入したマスクは装着済み
何処から見ても、立派な風邪引きさんにござります

幸いにして病院内は空いており
程無くして拙者は親方を連れて診察室へ


医者
『はい、どうなさいました?(・∀・)』

拙者
『彼が風邪を引いたみたいなのじゃ( `・ω・´)』

親方
『頭痛とめまいがします(´・ω・`)』

医者
『ふんふん……
 んじゃ、とりあえず熱を(・∀・)』

拙者
『うむ( `・ω・´)』


親方の脇に体温計を挟み
一分ほど経過した後――……


拙者
『…………(・∀・;)』

親方
『どした?(;・∀・)』


あの……親方……
何故、貴方の熱は

39度もあるんですか


医者
『ウィルスチェックもしてみたけど
 これ、インフルエンザだね(・ω・)』

拙者
『Σ(゚◇゚;)』

親方
『Σ(゚Д゚;)』

医者
『一緒に暮らしている家族や、
 会社の人たちも感染してる確率高いから
 出来るだけ早く病院に来るよう伝えてね(´・ω・`)』


…………。

……………………。


終わったな……


親方と拙者
そしてここ数日、共に過ごした同業者達



仲良くインフル友達



親方
『そ、その……何て言うか……
 毒や呪いじゃなくて、良かったね(;・∀・)』

良くねぇよ

拙者
『全滅の未来しか見えぬ……( ;∀;)』


震える手で携帯を取り出すと、
同業者達へ連絡を取る拙者

電話の向こう側で起こるであろう大パニック地獄絵図
想像するだけで拙者まで眩暈がしてくるようじゃ……


その後、全員の感染が確認され

宿の部屋にて、
皆で仲良く寝込んだのは言うまでもないのじゃが


『お前ら一歩も外に出るなあああああッ!!!!(`;д;´♯)』

と、
拙者達を奥の部屋へ蟄居させた宿の女将

営業用スマイルが消え、
切羽詰った鬼気迫る彼女の顔は、

正直、魔女より怖かった


こうして過ぎて行く、出張3日目

もう3日なのか、
それとも、まだ3日なのか

とりあえず、言える事は
未だ何一つ無事に事が進んでおらぬと言う事実

色々な意味で、
先が見えねぇ……


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zayo(zayorine)

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北海道の札幌在住。
職業はガーデナー。
たまに趣味の延長でイラストレーターやデザイナーなども。

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ガーデニングや家庭菜園、
料理をする事も好き。

BLコメディファンタジーを、
こよなく愛する腐女子です。
イラスト・小説両方書きますが専門はイラスト描き。

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笑える事が大好き。
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