晴れ ときどき 魔女

2日目

この日は天候も良く、
絶好の仕事日和にござりました


―――……が

皆の表情は、どこか浮かないものがござります
まぁ……そうじゃろうな

口数少なく影がある女性だと認識しておった客が、
まさか身も心も魔女に浸りきったマニアだったとは……


従業員たちの会話に耳を傾けてみると、

『……俺、どうしたら良いのか……(;・∀・)』

『どうもしなくて良いんじゃないか?(;´Д`)』

『と言うか、何もされたくないよな(; ・`д・´)』

『うん……( ;∀;)』


…………。

やはり、彼女の凄まじいインパクトに
完璧なまでに気圧されておるようにござります

ま、まぁ、お客様が何であろうと、
拙者達は任された仕事をこなすだけじゃ

早く終えれば、それだけ早く次の現場に行けるし!!


そう皆で励まし合いながら、
魔女の隠れ家へと赴く庭師たち


拙者
『さて、働くか(・∀・)』

同業者
『君が一番気に入られているから、
 挨拶に行って来てよ……(; ・`д・´)』

拙者
『何故、他社の拙者が!?Σ(゚◇゚;)』

同業者
『怖いんだもん……( ;∀;)』

親方
『彼らはお前の「やらかし」に慣れていないんだ
 行ってきてあげなさい(;´Д`)』

拙者
『拙者は何もしておらぬのに……。゚(゚´Д`゚)゚。』


そんな周囲の押し付け合いと言う名の譲り合い精神で、
拙者は魔女の元へ朝の挨拶に行くことに

また背後に張り付かれたら嫌じゃな……


拙者
『お、おはようございます~
 本日も一日、よろしくお願いします……(; ・`д・´)』


『あらあら魔女さん、いらっしゃい~。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『そんなわけで、早速取り掛かります!!( `・ω・´)』


『あなたともっとお話したいけど、
 今日は午前中にやる事があるの。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『いえいえお気になさらず(・∀・).。oO(助かった)』


彼女が家から出て来ない
それだけで足取りも軽くなる気が致します

昨日の死神張り付き珍事はトラウマ物じゃったからな

良かった……
本日は、心穏やかに過ごせ―――……



『今日は私、貴方達に手料理を振舞うわ!!(・∀・)』

!?



『私が考えた魔女料理
 是非、貴方に味わってもらいたくて。゚+.(・∀・)゚+.゚』


いや
魔女料理って……あんた……

何を食わせる気ですか

むしろ

食えるのか、それ


カエルのスープ
毒キノコのサラダ
大蛇の丸焼き――……

脳裏に次々と浮かぶ、
モザイク無しでは直視出来ないゲテモノの数々

無駄に黒っぽいか、
もしくは不自然なまでに蛍光色

そんな料理が出て来るフラグがビンビンにござります

嫌な予感しかしねえ


親方
『顔色悪いよ、大丈夫?(;・∀・)』


バラ園へ戻って来た拙者の姿に、
全員の視線が集中致しました

……皆、警戒しておったのじゃろうな……

拙者の背後に黒い影が無い事を確認して、
ほっと胸を撫で下ろす庭師たち


安堵の表情を浮かべておる彼らに、
拙者は無情にも告げなければならぬのじゃ……

あぁ……胸が痛む

痛みまするが、
これも仕方の無いこと

お前らも道連れだ、食え


拙者
『本日のお昼は、彼女が魔女料理を振舞ってくれるそうじゃ
 そんなわけじゃから、逃げるなよ(・∀・)』

従業員たち
『Σ(゚◇゚;)Σ(゚Д゚;)Σ(゚д゚lll)Σ(゚∀゚ノ)ノ』

この様な珍事に慣れておらぬ彼らは、
魂が抜けたかのような虚ろな眼差しで放心しておりました




親方
『面白そうな料理だったら、
 是非お母さんにも作ってあげなさい(・∀・)』

拙者
『母上様もこういうネタっぽいの好きじゃからな( `・ω・´)』


親方だけは素早く立ち直り、
前向きに魔女料理の輪を広げようとしておりました

…………。

ゴメンね、親方
拙者のせいで耐性が付いてしまったのじゃな……

人間の環境に対する適応力を感じつつも、
ここに至るまでの道のりを思い物悲しくなる拙者

……頑張れ、親方……
拙者にはどうする事も出来ませぬが故……


そして無情にも時は流れ



『さ、あがって下さいな(・∀・)』


魔女の住処へと再び足を踏み入れることになった拙者
そして半ば強引に拙者が引きずって来た親方
更には親方と一番親しい仲の同業者

要するに、初日に挨拶をした3人にござります

まずは様子見として、
この面子で先陣を切ったわけなのじゃが――……


拙者
『ところで、魔女料理って具体的には……?(;・∀・)』


『そうそうそれ!!
 是非貴方に見て貰いたかったのよ!!
 今回はサラダにしてみたの、どうかしら。゚+.(・∀・)゚+.゚』


彼女が奥のキッチンから抱えて来たのは、
大きな木製のボウルにござりました

中には実にカラフルな、
コウモリやクモ―――……の、マカロニ



『ハロウィンの季節になると雑貨屋さんで並ぶのよ
 ジャック・オ・ランタンやコウモリの形のマカロニ
 私のお気に入りで、毎年買い占めちゃうのよね
 ハーブソルトとオリーブオイルで和えてサラダにしたの』

拙者
『………(;・∀・)』


魔女料理ではなく、正しくは
季節外れハロウィン仕様マカロニサラダ

本来なら拍子抜けする所じゃろうが、
拙者達は心の底から安堵しておりました

既に気分は
死線を乗り越えた帰還兵



『あとは、マッシュルームとベーコンのパイよ
 魔女料理にキノコは欠かせないと思うの。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『ああ、確かに……
 魔女にキノコは似合いまするな……(;・∀・)』

主に毒キノコが



『そして最後にシチューよ
 大きなお鍋を掻き回している時が一番、
 魔女の気分に浸れるの。゚+.(・∀・)゚+.゚』


アンティークな鍋の中には真っ白なシチューが、
美味しそうな白い湯気を立てておりました

具はニンジンとブロッコリー、ジャガイモ
そして手羽元と思われる骨付きの肉

良かった……

彼女が魔女道を極めていなくて、
心の底から本当に良かった……ッ……!!


普通である事の素晴らしさよ


料理を確認した同業者は、
ほっとした表情で他の仲間達を呼びに行き

親方は緊張の糸が切れたのか、
壊れた人形の如く椅子に身を投げ出し

後に残ったのは、
延々と魔女語りに付き合わされる拙者



『人魚を陥れた海の魔女も良いけど、
 私が一番好きなのは森の魔女ね。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『は、はあ……(;・∀・)』


『あぁ……私は今、
 旅人に秘薬を振舞う魔女の気分……!!
 何て素敵なのかしら(ノ´∀`*)』

拙者
『…………(; ・`д・´)』


面白い
この人、面白過ぎまする

彼女の話を聞くのは、
決して嫌いではござりませぬ

嫌いではないのじゃが――……

飯に集中出来ねぇ


なかなか減らぬ皿を抱えた拙者とは逆に、
親方や従業員達はガツガツと豪快に食を進め――……

口々に礼の言葉を述べながら、
魔女の家を後にして行きました


親方
『じゃあ、自分も先に行くけど……
 お前はゆっくり食ってて良いからな( `・ω・´)』

拙者
『うむ、後片付けの手伝いもするつもりじゃし
 すまぬが後は頼みまするよ(・∀・)』


『遠慮なんてしないで頂戴ね。゚+.(・∀・)゚+.゚』


ポツンと残された拙者

色々な意味で負担のある今の状況じゃが、
最大の難関である食事が平穏無事に
進んだだけでも大きいと言うものにござります



『シチューのおかわり、どうぞ。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『ありがとうございます
 このシチューも凄く美味しくて(*´Д`)』


『あら嬉しいわ
 私の一番の自信作なのよ
 色々と拘っているの。゚+.(・∀・)゚+.゚』


ホクホクのジャガイモ
甘いニンジンに良いアクセントのブロッコリー

ふわりと香るミルクとバターは、
優しくも深いコクのある味わい

チキンは柔らかくジューシーにござります
それに、骨付きだからじゃろうか
ダシが良く出ておりまする


拙者
『ほっこり……(*´ω`*)』


『あら、そのお肉がお気に入り?。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『凄く柔らかくて美味しいのぅ……
 このチキンは、何処で購入しておるのじゃ?(・∀・)』


『ふふ……そのお肉は鶏ではないの
 だってこれは魔女料理ですもの……
 使っているのはカエルのお肉よ』


( ゚д゚)



『便利な世の中ね
 カエルのお肉が通販で買えちゃうのよ
 ほら……御覧なさいな。゚+.(・∀・)゚+.゚』

彼女が冷蔵庫から持ってきたのは、
見事なまでの原形を保ったカエルの下半身

涙が止まらぬレベルの生々しさ



『フロッグレッグって言うのよ
 皮を剥いた状態で買えるから楽で良いの
 貴方に是非食べて貰いたかったのよね(・∀・)』

拙者
『……………( ;∀;)』


おお、神よ
拙者に憑いた笑いの神よ

何故!!

何故貴方は最後に、
このような破壊力のあるオチを!!


よりによって!!

おかわりの皿が置かれた瞬間に
炸裂しやがるのですか……ッ……!!


ふふ

まさか笑いの神と魔女がタッグを組んで、
全力で拙者にダメージを与えて来るとは……



『ね?ね?
 カエルを食べるなんて魔女っぽいでしょ?
 凄く素敵だと思わない?。゚+.(・∀・)゚+.゚』

拙者
『……ええ……これは、是非とも……
 他の連中にも教えてあげなければ……
 ふふ……ふ……( ;∀;)』


ねぇ、親方
そして同業者達

お前達も道連れじゃ……

叫べ!!
呻け!!

そして震えるが良い……!!


カエル肉を貪りながら、
彼らの打ちひしがれる姿を妄想する拙者

ふつふつと湧き上る黒い笑い
なのに何故か込み上げるのは熱い感情

恐らく、今の拙者は
魔女の顔をしておるに違いない


後日、親方が倒れたりもしたのじゃが、
それはまた別の話にござります


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zayo(zayorine)

Author:zayo(zayorine)
北海道の札幌在住。
職業はガーデナー。
たまに趣味の延長でイラストレーターやデザイナーなども。

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ガーデニングや家庭菜園、
料理をする事も好き。

BLコメディファンタジーを、
こよなく愛する腐女子です。
イラスト・小説両方書きますが専門はイラスト描き。

楽しい事、面白い事、
笑える事が大好き。
高い場所と泳ぐ場所、
お化けなどのホラー関係は
泣けるレベルで苦手。


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